一般社団法人ICTマネジメント研究会 第二回学生小論文アワード
授賞式が開催されました!

2021.07.29

一般社団法人ICTマネジメント研究会が主催する学生小論文アワードの授賞式を7月29日にオンラインにて執り行いました。
今回は「ICTと社会問題のかかわり」をテーマに小論文もしくはエッセイ形式で募集し、高校生15名、大学生及び大学院生14名(グループなどの投稿も1名とカウント)からの応募がありました。オンライン授賞式では4組5名の石井賞受賞者を表彰し、審査員の先生方から講評や祝福の言葉が贈られました。石井賞受賞者にはトロフィー・表彰状・商品券、特別賞受賞者には表彰状・商品券が贈られます。

石井賞 
立教大学異文化コミュニケーション学部
豊田美紀さん
「少子化現象と恋愛・結婚観の時代的変遷
-出会い創出の視点から ICT を用いた
        婚活支援策の提案-」

石井賞をいただき、ありがとうございます。受賞のお知らせを頂いた際には思いがけず大変驚きました。もともとジェンダー問題に興味があり、少子化と非婚率について研究していました。今回のアワードのテーマである「社会問題とICTのかかわり」と自身の研究内容をどのように結び付けられるか、ブレインストーミングしながら考えました。論文を書くにあたり、視野を広く持ち問題を様々な角度から見ることの重要性を再度学ぶことができました。このような機会を頂きありがとうございます。頂いた賞や講評を励みに今後も視野を広く持ち続け、自身の成長に繋げていきたいです。

石井賞 
東京学芸大学国際中等教育学校
高橋美月さん
“Utilizing ICT to Bridge the Gap in Education for Foreign Students Residing in Japan“

このような機会を頂きありがとうございました。私は海外で生活した経験をもとに在日外国人を助ける活動を行っており、その活動をもっと多くの人に知ってもらいたいと思い、今回のアワードに応募しました。論文を選んでいただき光栄に思っています。受賞を糧にこれからもプロジェクト活動を頑張っていきたいです。

石井賞 
成城学園高等学校
篠田凜子さん
「ICTのあるべき姿を考える
-医療と教育の視点から-」
※朴さんとの共著

この度は石井賞を頂き嬉しく思います。将来は医学関係に進みたいと思っており、自分の考えを発信するために理系の論文コンクールを探していたところ、今回のアワードを見つけ、応募しました。長い論文を書くのは初めてで、沢山学ぶことがありました。講評を活かしてより良い論文を書けるように頑張っていきます。ありがとうございました。

石井賞 
成城学園高等学校
朴可鈴さん
「ICTのあるべき姿を考える
-医療と教育の視点から-」
※篠田さんとの共著

この度は素敵な賞を頂きありがとうございます。コロナ禍で直面した教育とICTの問題に対して若者と問題意識を共有できる場所を探していて、今回のアワードにたどり着きました。高校生の立場から、医療と教育の2分野におけるICTと社会問題について見つめ直す機会を持てたことは、今後の学びや将来に対し、大きな意味があると感じています。受賞を誇りに思い、ICTと未来について考え、携わっていこうと思います。

開会挨拶 
一般社団法人ICTマネジメント研究会
石井宏宗代表理事

受賞者の皆様、誠におめでとうございます。素晴らしい内容もさることながら、コロナ禍において社会問題に対して真摯に向き合い、ペンを執ったということ自体が素晴らしいと思います。50年後に今を振り返った時、自信を持ってこの経験を周囲に伝えて頂きたいと思います。「ペンは剣より強し」の実践に心から敬意を表します。

講評
審査委員長
信州大学 関利恵子先生

この度の受賞、誠におめでとうございます。今回のアワードではICTと社会問題のかかわりについてエッセイと論文を募集し、多くの応募がありました。コロナ禍においてこれまでの生活スタイルが一変してしまった中で、学生の皆さんは、ICTとのかかわりがより密接になったことをきっかけに応募されたのではないでしょうか。
豊田さんの論文では少子化問題の要因として非婚・晩婚化を挙げ、解決策としてICTを用いた結婚支援を提案しており、思わず引き込まれる内容でした。的確な資料を提示しての論理展開は、流石大学生の論文でした。篠田さん・朴さんの論文では医療現場と教育におけるICTの地域格差を取り上げていました。印象に残ったのは、高校生でありながら、豊富な事例で丁寧に理論を展開している点です。遠藤さんの論文では、自宅でのオンライン講義体験をもとに教育格差問題を論じておりました。高橋さんの論文では自らの米国での経験をもとにICTを活用した言語支援システムの活用を提案しておりました。こちらの高校生二人の論文は自らの実体験をもとにしており、非常に説得力のある論文でした。
皆さんの想像力・気づき・論理展開が社会を動かす力になるのではないかと期待しています。本アワードをきっかけにさらに皆さんの能力に磨きをかけていただき、社会を動かす原動力になってくれることを祈っています。

講評
審査委員 
東北学院大学 松岡孝介先生

受賞された皆さん、おめでとうございます。 教育や医療の格差、高齢者の介護、食品ロス、環境問題、災害に関わる情報共有などの社会問題に対してのICT活用について、新鮮な視点からの熱意ある投稿に感銘を受けました。
問題には2種類あります。定義明確問題と定義不明確問題です。定義明確問題は答えが一つで最も効率的な解き方も一つです。それに対し、社会問題は定義不明確問題にあたります。色々な要素が複雑に絡み合い、何が達成目標なのか、最適な手段なのか分かりません。このような問題に取り組むときに重要なのは説得力のある解答や手段を導き出すことです。それを導き出すのはまさに「研究のプロセス」です。正当な手順の中で客観的な根拠を出すことが重要です。ぜひ今回取り組まれた課題や今後ぶつかる問題に対し、このような手法で向き合って頂ければと思います。
研究は社会問題に対して多くの人が納得できるような解答・結論を導き出すために必須の技術であることを理解した上でこれからの学びに活かしていただきたいと思います。皆さんがますます複雑化する社会問題解決に貢献できる有能な人材へと成長されることを期待しています。

講評
審査委員 
税理士法人みずほ 八幡浩伸先生

皆さん、受賞おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。コロナ禍で大変な中、研究や執筆に多くの時間を割かれたこととその努力に敬意と感謝を申し上げます。今回のテーマは「ICTと社会問題のかかわり」ということでしたが、コロナ禍において皆さんが身近に感じた教育・医療・少子化等をテーマに掲げ、ICTでどのように解決できるかを論じていらっしゃいました。身近に感じたことを素直にテーマにしていることが非常に良かったと感じました。生まれながらにICTが生活の中心にあるZ世代の皆さんの柔軟な発想とユニークな論理展開に刺激を受けました。今回の論文をきっかけに、今後も各自のテーマについて掘り下げていってほしいと思います。今後も応援しておりますので、チャレンジを続けてください。

総評
特別審査委員 
東京国際大学 白田佳子先生

皆さんの、コロナ禍で論文コンクールに挑戦しようというチャレンジ精神が素晴らしいと思います。遠隔授業の難しさや教育格差など、コロナ禍のような状況にあるからこそ感じていること、経験していることはあると思います。友達との何気ないおしゃべりや意見交換、あるいはパートナー探しはICTだけでは解決できないかもしれません。今回印象に残ったのは、ICTの利点だけでなくICTの問題点も指摘されていたことです。ICTが導入されればすべてが解決されるというわけではなく、実はここに問題や隙間がある、ということに人間が気付くことが大切です。人間がICT技術をどのように活用して社会問題に取り組んでいけるか、具体的に考えて頂ければと思います。
最後に、石井賞受賞者の学生さんがすべて女性で非常に嬉しく思いました。(オンライン授与式のため)皆さんと直接お話しできなかったことが少し残念です。50年後を見据えて自分の人生にチャレンジしていってください。応援しています。本当におめでとうございました。

※石井賞受賞者の遠藤さんは授与式ご欠席のため、お名前のみのご紹介となります。
 石井賞 洛南高等学校 遠藤夏音さん
 「教育格差という社会問題と向き合う - ICT を用いた教育の両義性について -」

受賞者の皆様、誠におめでとうございます。次回のご応募もお待ちしております。
サンシングループではICTマネジメント研究会を通じて、これからもCSR活動を積極的に展開してまいります。

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