PFC回路における高周波対策|リアクトルと設計ノウハウで改善する方法
PFC回路と高周波ノイズの関係
省エネ化・高効率化が求められる中、PFC(Power Factor Correction:力率改善)回路は欠かせない技術です。入力電流を正弦波に近づけ、高調波電流を低減することで国際規格や環境基準に対応します。
一方、アクティブPFC回路ではMOSFETやIGBTのスイッチングにより高周波成分が発生することがあります。これは「PFC回路がノイズ源」なのではなく、設計次第で改善できる要素です。
サンシン電気は、カスタム電源設計でPFC回路とリアクトルを活用したノイズ対策に豊富な実績を持ちます。本稿では、PFC回路を高周波対策に活かす設計ポイントを解説します。
PFC回路と高周波発生のメカニズム
PFC回路にはパッシブ型とアクティブ型があります。効率・小型化の観点から主流はアクティブ型で、入力電流を正弦波化し力率改善と高調波抑制に貢献します。一方、高速スイッチングに伴い高周波成分が副次的に現れます。
主なノイズ要素:
- コモンモードノイズ:筐体・配線を通る高周波電流
- ノーマルモードノイズ:電源ライン間に発生
- 寄生成分:寄生容量・インダクタンスの影響
重要なのは、PFC回路の最適化により高周波ノイズを低減しつつ規格適合を実現できる点です。
PFC回路を活かした高周波対策
■EMIフィルタとの組み合わせ
コモンモードチョークやコンデンサを用いたEMIフィルタで高周波成分を抑制します。ただし大型化はコスト・サイズ面で課題となるため、PFC回路との一体設計が重要です。
■リアクトルによる電流平滑化
リアクトルは電流を滑らかにし、正弦波化とノイズ低減を両立します。サンシン電気では以下の工夫で最適化を図ります。
- コア材の適正選定(フェライト、鉄系など)
- 巻線構造の工夫による寄生容量低減
- ギャップ調整による飽和特性改善
これにより効率を維持しつつ高周波対策を実現します。

■スナバ回路・ゲート制御の最適化
スナバ回路やゲート抵抗を調整し、スイッチング時のdv/dt・di/dtを緩和。副次的高周波成分を抑制します。
基板レイアウトの工夫
- スイッチングループ面積の最小化
- GNDプレーンの適正配置
- ノイズ源と被害回路の分離
これらにより、実効的なノイズ抑制が可能です。
最新動向と改善手法
GaNやSiCデバイスの普及で高周波スイッチングが進み、より高度な対策が求められています。
- 拡散スペクトル変調:スイッチング周波数をランダム化しノイズピークを分散
- フィルタレス設計:PFC回路の最適化でフィルタを最小限化
- 高周波対応リアクトル:MHz帯でも低損失な新材料・設計
これらにより、PFC回路は力率改善と高周波対策を両立する技術へ進化しています。
PFC回路は高周波対策の要
PFC回路は単なる力率改善回路ではなく、高周波対策の中核技術です。設計段階からリアクトル・フィルタ・スナバ回路・基板設計を総合的に検討することで、効率・小型化・規格適合を同時に実現できます。
サンシン電気は、カスタム電源とリアクトル設計の知見を活かし、最適なPFC回路設計をご提案します。
<サンシン電気の強み>
- リアクトル設計の最適化:ノイズ低減と効率維持を両立!
- 設計~評価まで一貫対応:回路設計、試作、評価までサポート!
- 豊富な実績:産業・医療・情報機器など多分野で実績多数!
高周波ノイズやPFC回路改善でお困りの際は、ぜひサンシン電気へご相談ください!