「ワーク・アズ・ライフ」時代の学びと成長を考える

働き方の価値観が「ワーク・ライフ・バランス」から「ワーク・アズ・ライフ」へと移行しつつある今、私たちが働く環境に求めるものも大きく変わってきています。

「ワーク・ライフ・バランス」とは、仕事と私生活のバランスをとることを重視する考え方です。残業が少ない、休暇が取りやすいといった“働きやすさ”に焦点が当てられてきました。一方で「ワーク・アズ・ライフ」は、仕事そのものを人生の一部として捉え、やりがいや成長を通じて、仕事と生活が一体となるような働き方を目指す考え方※です。

こうした考え方の変化に伴い、「学び続けることができる環境」は、ますます重要性を増していると感じます。とくに若手世代は、「この環境では成長できない」と感じたときに、迷いなく転職を選ぶ傾向が強くなっています。そのため、企業が成長機会を提供することは、採用や定着の面でも欠かせないポイントとなっています。

当社で取り組んでいるEIGYO育成プログラムやサンシン大学、MOT企業派遣などは、まさにその象徴です。改めて、こうした制度は当社のEVP(従業員への価値提案)として、魅力的な要素であると考えます。

ただ、社内にいると、こうした恵まれた環境が“当たり前”になってしまい、その価値を見失いがちです。だからこそ、日々のコミュニケーションを通じて、社員がこの環境を活かし、成長に繋げていけるよう、働きかけていきたいと思います。そして私自身も、「学び続ける姿勢」を大切にし、仕事と資格取得の両立や、仕事と研究の両立を実践し、その背中を後輩たちに見せることができるよう、努めてまいります。

川口あすみ


※ ワーク・アズ・ライフは、筑波大学准教授でメディアアーティストでもある落合陽一氏が提唱した考え方です。
参考:落合陽一(2017)『超AI時代の生存戦略 シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト』大和書房。