スイッチング電源で発熱が発生する理由
発熱=エネルギー損失
・入力した電気エネルギーのうち、出力に使われなかった分が熱にかわったモノ
・入力電力 (PIN) = 出力電力 (POUT) + 損失 (PLOSS)
・スイッチング電源は 半導体やトランスを使ってエネルギーを高速に制御しているため、
理想通りにエネルギーを移動できなかった分が損失となり、それが発熱として現れています
高周波数化・高出力化により発熱が増大する背景
・高周波化 → 1秒あたりの損失回数が増える
・高出力化 → 1回あたりの損失が増える
トランスにおける主な発熱要因
・銅損 … 巻線による発熱 (巻線に電流が流れる限り、必ず発熱)
・鉄損 … コアによる発熱 (ヒステリシス損、渦電流損)
発熱が引き起こす問題
電源効率の低下
・同じ出力を得るために無駄な電力を使っている
部品寿命の短縮 (と信頼性低下)
・温度上昇と寿命の関係
・10℃上がると寿命は1/2倍に縮む
・電解コンデンサ、(冷却)ファン 等への影響
設計自由度・コスト の制約
・ヒートシンク・ファン等の発熱対策部品が必要
・小型化・静音化・密閉構造が難しくなる
発熱を抑えることで得られるメリット
- 同一サイズで出力向上
- (または) 電源の小型化・軽量化
- 発熱対策部品の減によるコストダウン
- 長寿命化の実現
スイッチング電源が抱える発熱の課題を解決!クールトランス
コンセプト:Cool-Trans とは何か
発熱は避けられない前提に立ち、熱の流れを制御することでトランス温度を下げる
スイッチング電源用トランスは高周波化・高出力化により巻線やコアでの発熱そのものを “0(ゼロ)” にすることはできません
クールトランスは『発熱量を無理にへらそうとするのではなく、発生した熱を効率よく外へ逃がす構造を作る』
という発想に基づいています
その為、着目したのが “従来は絶縁・保持として扱われてきたボビン” になります
一般的なトランスとの違い
【従来トランス(のボビン)の考え方】
一般的なスイッチングトランスのボビンは、以下2つの様に “機械的・電気的役割” が主でした
- 巻線をささえる
- 絶縁距離を確保する
【クールトランス】
- ボビンを “熱を受け取り、外へ渡す部品” として再定義
- 材料を変えることなく 独自形状のボビン を採用
- 巻線・コアで発生した熱を → ボビンへ → 周囲 (大気) へと熱伝達経路を意図的に形成




クールトランスの特徴:発熱低減を主目的とした設計思想
発熱は “敵” ではなく “前提条件”
スイッチング電源のスイッチングトランスで、発熱は必然
“無理に抑え込む” や “過剰なマージンを取る” のではなく『発生した熱を、どこへどう流すか』を(設計)対象としています
熱抵抗ネットワークの最適化
クールトランスは “材料の熱伝導率を上げる” “新素材を使う” といった方法ではなく『(ボビンの) 形状によって熱抵抗を下げる』というアプローチをとっています
・コスト増を抑えられる
・従来の製造プロセスが使える
・2023年4月 特許庁 登録
意匠に係わる物品:トランス用ボビン
登録番号:第1742493号
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・コンセプト → 発熱を前提に、熱の流れを制御するトランス
・一般トランスとの違い → ボビンを “保持部品” から “放熱経路” へ進化
・設計思想 → 材料を変えず、形状で熱抵抗を下げ、電源全体を冷やす
Cool-Trans が実現する “5℃以上の温度低減”
・実測で確認された温度低減効果
・通常のトランス と クールトランス を実装したスイッチング電源を用意し
同条件、同環境にて温度上昇試験を実施
入力電圧 (VIN) :単相AC100V
出力電圧 (VOUT):DC24V
出力電流 (IOUT) : 2.0A


・通電開始から温度上昇が飽和した100分後の結果にて、
トランスで最も自己発熱温度が高い “巻線(WIRE)” で 5℃以上の低減を確認
また、トランスを構成しているコアとボビン、あわせて
トランスを実装している基板周辺も 2.4℃~8.7℃ の低減を確認できました


・わずか5℃の違いがもたらす意味
・トランス が “5℃ 温度低減する事” は
“10W 出力電力を増加させる事” が見込めます
今回の開発技術にて以下の選択が可能になります
・同等のトランス形状にて出力電力の増加が可能
・同等の出力電力仕様の際、より小型のトランスを使用する事が可能
“同電力で小型化” あるいは “同体積で高出力化” に寄与できます
・発熱低減がもたらす設計上の具体的メリット
・(スイッチング電源内の) 発熱対策部品 削減
・高密度実装 → 小型電源への適用
・筐体設計の自由度向上

よくある質問
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通常トランスとの置き換えは可能か
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置き換えは可能です
現在、クールトランス(≒クールトランス用のボビン) は汎用化ラインナップに至っていません
通常トランスのご仕様やご希望条件にそってカスタマイズでご提案いたします
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出力・サイズのカスタマイズ可否
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カスタマイズは可能です (カスタマイズでご提案となります)
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高温環境での使用について
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クールトランスは “新素材の使用” をしていません
通常トランスに要求される耐熱クラスに見合った素材を使用しています
・E種: 120℃
・B種: 130℃
・F種: 155℃